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生着替えは夢幻と消え

 部屋に遊びに来ていた彼女が、「さっき買った服、着てみてもいい?」と言い出した。

 俺の部屋はワンルームだから、隠れて着替える場所なんてない。

 ……これはもしかして、いや、もしかしなくても、生着替えを拝めるチャンスだ。

「うん、着て見せてよ。絶対似合うと思う!」

 あくまで服が見たいという体で、彼女をその気にさせる。

「そう? じゃあ……」

 と、彼女はバッグの中から何かを取り出した。

 そして次の瞬間、部屋の中央に人間ひとりが収まるくらいの、ミニテントが出現していた。

「覗いちゃダメだよ」

 と、笑顔でテントに入っていく彼女。間抜けな俺は、呆然とそれを見守ることしかできなかった。